①学生の変化
全体の80%以上の学生が影響があると回答。特にインターンシップに力を入れず3月からスタートした学生は不安も大きい。合同説明会の中止によって新しい企業や中小企業の発見ができず、企業選択の幅を広げきれない学生も多い。一方で2月までに大手を含めてインターンシップに積極的に参加した学生は、企業の絞り込みを進めている状況。3月1日の内定率は約8%(前年比2ポイント減少)。Web面接は社風や人柄がわかりにくく、対面を希望している学生が多い。ただし、地方学生などWebセミナー希望者は増加。
②企業の変化
大手企業の7割が3月の自社のセミナーを中止。中小企業は、合同説明会で学生を集客し採用に繋げる方法が増加していたが、合同説明会が中止になり、出鼻をくじかれた状況。Webセミナーも一部の人気企業では堅調であるが、中小企業は、具体的に成果を挙げきれない状況にある。少人数セミナーもマスクで表情が見えず、人材の発見も苦戦。インターンシップ採用を除く、3月からの本採用における大手企業の内定は、4月から5月にずれ込み、中小企業はその後の内定の囲い込みとなり、3~4月の1回戦、5~6月の2回戦と長期化の様相。
③採用意欲の変化
業種によっては採用を絞り込もうという動きもあるが、新卒採用は長期的な投資として、採用意欲は現状は堅調である。特に、この数年の超売り手市場の中、若手人材の採用数が充足しておらず、この先、数年をかけて組織を固めたい意向が強いと考えられる。求人倍率が低下するとなれば、能力的にも意欲的にもより高いレベルの学生を求める動きがさらに強くなる様相である。新型コロナウィルス感染症の影響と米中の行方等、中期的な採用、教育、働き方や待遇を含めた新たな人事戦略の立案を検討する企業が増加している。