④働き方重視
学生のワークライフバランス vs 企業の厳選採用
コロナをきっかけに、利益体質の強い組織づくりを推進する企業の状況とは無関係に、働き方改革を背景に、若者の労働条件を重視する風潮は広がっています。そして、残業・休日・給与を吟味する企業選択が一般的化してきました。最も重要な「働く目的」や「仕事の価値」を考えるよりも、働く前から、条件や環境を優先する姿勢への非難や不安はありますが適応していく時代なのでしょうか。2022の新卒採用は、今後の経済変化を反映して、数から質へシフトする厳選採用が始まりつつあります。企業は厳選採用が進む過程で、学生に「働く意欲・危機耐性・生産性」を求める傾向が強くなりますから、2022は多くの学生の意識改革が問われる採用戦線になりそうです。
⑤通年採用
早期・ 長期・複雑化
データでは3年生の4~6月から就職活動を始める学生が急増する傾向になっています。背景には、新卒一括採用の見直しや就職ルールの自由化がありますが、これはいいことばかりではありません。学生にとっては3年生から4年生の1年半以上を就活に費やすことになり、企業からすると優秀な人材採用のためには年中採用活動を継続していく必要も出てきます。このような早期化と長期化、さらにはインターンシップ採用と本採用、多様なメディアの出現など、採用活動がますますややこしくなることが懸念されます。自由化の中で成功するには、自社基準の設定が最も大切です。自社の採用ターゲットの明確化と、成功ポイントの再現性の検討をしていきましょう。
⑥新手法登場
スカウト型。ターゲットを獲得
新卒ナビや合同説明会からの採用が中心になっていますが、 2022ではダイレクトリクルーティングも注目しています。従来の待ちではなく、攻めの採用です。企業側が約10万人越の登録学生から、自社に適する学生を選んでスカウトを行い、面接し、採用を成立させる方法です。ターゲットを絞った採用ができる新たな手法ですが、一方でスカウトは、個別でメールやコールが必要なため手間がとてもかかることや、利用企業が増加することによって、効果が出にくくなってしまうことも指摘されています。また、成功事例を検証するとターゲティングの設定方法や、実際に会ってから内定承諾までつなげていく採用力の強化を実践して、メディアミックスで成功を勝ち取りましょう。