2021年3月21日 日経新聞
日本経済新聞社が21日まとめた2022年春入社の新卒採用計画調査(1次集計)で、大卒採用計画は21年春実績見込み比4.4%増となった。新型コロナウイルスの影響により旅行や鉄道などが採用を抑える一方、電機は2桁増を計画する。自動車も増やす方針で、デジタル化や脱炭素に必要な人材への強い採用意欲が鮮明になった。
①求人増になってしまった2022採用
解説(リンクコンサルティンググループ 和田康拍)
コロナ禍により新卒採用が激減するといわれ、採用のチャンスと捉えていた2022年4月大卒採用。しかし、今回調査では2022年4月大卒採用は4.4%増となり、採用意欲の高い中小企業の期待を裏切った結果となりました。電機10.8%増、電子部品13.8%増、自動車・部品5.4%増となりました。一方で鉄道・バスは29.1%減、アパレルを含むその他小売業は5.8%減となりました。理系は8.4%増、文系は2.9%増です。 東海地区においては特に機械・電気・電子系や土木・建築系の採用はとても難しく、 今後も求人倍率の低下は考えにくいと予測されます。独自の採用方法の開拓がますます必要になっています。
②コロナ禍の求人増、その背景
解説(リンクコンサルティンググループ 和田康拍)
約10年前のリーマンショックの影響で、当時の採用は19.6%減となっていました。この数字に比べると、コロナ禍では、驚くほど新卒採用を抑制する動きが限定的でした。背景には、新卒採用をストップすることによる若手人材の欠乏、世代別の人員構成の隔たり、組織の高齢化への対応、デジタル人材の不足など、将来の組織とビジネスモデルを見据えた上での採用の継続判断が多かった模様です。さらに将来の若年層人口の減少を考えれば、この数年の新卒採用の積極化は継続するものと考えられます。実際には第二新卒の採用も中小企業にとっては難しく、合わせて若手人材の獲得戦略が重要になっています。